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中村 詔司; 藤 暢輔; 木村 敦; 初川 雄一*; 原田 秀郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(7), p.851 - 865, 2022/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)本研究は、東京大学の高速中性子源炉「弥生」を用いて、評価済み核データライブラリーを検証するために放射化法によりIの積分実験を行った。Iと中性子束モニタを、弥生炉のグローリー孔にて照射した。反応率は、Iから放出されるガンマ線の収量から求めた。中性子束モニタの反応率の実験値と計算値との比較から、高速中性子スペクトルの確かさを確認した。Iの反応率の実験値を、評価済み核データライブラリーを用いて求めた計算値と比較した。本研究で、評価済みライブラリーJENDL-4.0に採用されている中性子エネルギー10keVから3MeV領域の中性子捕獲断面積データは、18%程、過大評価されていることが分かった。また、本研究の結果は、100keV以下では、Noguere等による報告データを支持した。
本多 真紀
地球化学, 55(4), p.176 - 192, 2021/12
ヨウ素129 (I)は半減期1570万年でXeに壊変する放射性核種である。地球環境中に存在するIの分析を通じた研究は、惑星科学や地球科学の分野だけでなく、近年では原子力分野においても重要な役割を果たしている。特に2011年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故では、広範囲にわたるIの分布及び土壌沈着量を推計し、事故初期の内部被ばく線量評価に貢献した。これは近年のI関連の研究における最も大きな研究成果の1つである。今後は、陸から河川へのIの移行や、海域での事故由来のIの輸送メカニズムを解明する研究、水生生物等への濃縮を調査する研究が進んでいくと予想される。本稿では筆者が注力してきた研究(土壌中のIの動態)を中心に、事故から10年間の様々な研究で得られた成果を報告する。
中野 政尚
保健物理(インターネット), 56(1), p.17 - 25, 2021/03
東海再処理施設は1977年にホット試験を開始した日本で初めての再処理施設であり、2007年5月までに1140トンの使用済核燃料を再処理してきた。その際には気体及び液体放射性廃棄物を環境へ放出している。その中でもヨウ素-129(I)は環境影響評価上重要な核種の一つと位置づけられるため、排気及び排水中Iを管理するとともに、環境試料中Iの精密分析法の開発や環境中のI濃度調査等を行ってきた。本報告では、それらの概要について紹介する。再処理施設におけるIに限らず、原子力事業者はALARAの精神で環境への放出量を低減するとともに、環境モニタリング手法や評価法等の更なる高度化に絶えず取り組んでいくことが、施設周辺住民の安全安心感を醸成するために不可欠である。
三輪 一爾; 小畑 元*; 鈴木 崇史
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(5), p.537 - 545, 2020/05
被引用回数:2 パーセンタイル:21.22(Nuclear Science & Technology)本研究では、チャクチ海, ベーリング海において人為起源の放射性核種であるIodine-129(I)の鉛直分布の観測を実施した。現在、Iの主なソースはヨーロッパの核燃料再処理施設である。2013年6月から8月の観測結果よりチャクチ海, ベーリング海におけるI濃度はフォールアウトレベルであった。ヨーロッパの核燃料再処理施設から海洋に放出されたIを高濃度に含んだ海水の流入は確認できなかった。また、海洋の生物生産に重要な役割を果たしているヨウ化物イオンの鉛直分布をチャクチ海, ベーリング海にて初めて観測した。観測の結果、当海域においては海底付近でヨウ化物イオンの濃度が高くなる傾向が見られた。
鈴木 崇史; 荒巻 能史; 北村 敏勝; 外川 織彦
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 223-224(1-4), p.87 - 91, 2004/08
被引用回数:13 パーセンタイル:63.86(Instruments & Instrumentation)日本原子力研究所のむつ事業所に設置されている加速器質量分析計はCとIを測定できる2つの独立したビームラインを持っている。本研究ではこのヨウ素ラインの精度,正確さ,検出限界を測定した。I測定のアクセプタンステストは連続した2日間で行われ、この2日間で得られたI/I比はそれぞれ(7.4970.119)10と(7.2090.050)10であり、相対標準偏差はそれぞれ1.6%, 0.7%であった。海水試料は再処理工場稼動前の西部北太平洋と六ヶ所沖で採水した。AMS測定のための海水サンプル処理は溶媒抽出法によって行われた。本論文はAMSヨウ素ラインの性能と海水試料中のI/I比の測定結果をまとめたものである。
峯尾 英章; 後藤 実; 飯塚 勝*; 藤崎 進; 萩谷 弘通*; 内山 軍蔵
Separation Science and Technology, 38(9), p.1981 - 2001, 2003/05
被引用回数:22 パーセンタイル:63.65(Chemistry, Multidisciplinary)銀シリカゲル(以下Ag-Sと略)カラム内のヨウ素-129分布を予測する数学モデルの適用性を44,000MWdtまでの燃焼度の使用済燃料の溶解時に発生する実際のオフガスを用い検討した。モデルによって予測されたヨウ素-129の分布は実験で得られた分布とよく一致した。このモデルは使用済燃料溶解時のオフガス処理のため423Kで運転されるAg-Sカラムにおけるヨウ素分布予測に有効であることが示唆された。また、この予測で用いた有効拡散係数やラングミュア係数の値は、オフガス中のNO濃度が1%程度まで使用可能であると考えられた。
峯尾 英章; 後藤 実; 飯塚 勝*; 藤崎 進; 内山 軍蔵
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(3), p.241 - 247, 2002/03
被引用回数:26 パーセンタイル:82.29(Nuclear Science & Technology)使用済燃料溶解時のオフガス処理に使用される硝酸銀含浸シリカゲル(AgS)カラムにおけるヨウ素の軸方向分布を予測する数学モデルを単純な吸着理論に基づき提案した。モデルで必要なパラメータは、有効拡散係数とラングミュア係数の2つで、既往の吸着実験により得られたヨウ素の軸方向分布によるフィッティングによって、423Kにおいて、それぞれ5.6010m/s及び1.010mkgと決定した。これらパラメータの値を用い、既往の研究におけるさまざまな実験条件下でのヨウ素の分布を計算したところ、提案したモデルはこれらの分布を良く予測できることがわかった。さらに、AgS粒子中銀含有率の影響も予測できることもわかった。AgS吸着剤へのヨウ素の吸着速度は、ポア径が小さいことから粒子内のヨウ素の拡散過程が律速と考えられた。提案したモデルは単純でAgS吸着カラム内のヨウ素分布の予測に有用である。
西原 健司; 高野 秀機
Nuclear Technology, 137(1), p.47 - 59, 2002/01
被引用回数:4 パーセンタイル:29.2(Nuclear Science & Technology)マイナーアクチノイド(MA)核変換のために設計された加速器駆動システム(ADS)を用いてヨウ素-129(I-129)を核変換するためのブランケットの概念検討を行った。このブランケットは、ヨウ化ナトリウム(NaI)と中性子を減速させるための水素化ジルコニウム(ZrH)からなり、MAの上下及び径方向の反射体と置換される。このブランケットを設置したADSによって年間250kgのMAと56kgのヨウ素を同時に核変換することができる。これはそれぞれ軽水炉10基分に相当する。また、将来において140基の高速増殖炉が導入された場合に対して、このADSの導入シナリオと核変換がなされたことによる利益(実際的効果)を検討した。その結果、2160年にほぼ平衡状態に達し、21基のヨウ素ブランケット付きADSが稼働していることがわかった。利益については地層処分との比較が行われ、核変換が行われていない場合に、将来の非常に長い期間にわたって地下から染み出るヨウ素の線量が、核変換によって現代の短い期間の線量になることが定量的に示された。